自然の恩恵を全身に受けて暮らす家

光が降り注ぐリビングのソファで寛ぐ、ご主人の裕介さん、妻の真紀さん、長男の凛太朗くん。

大きな窓から射し込む陽は春光のようで、ソファに座るご家族の様子はひなたぼっこだ。こちらの家を訪れたのは冬深む季節なのに、家族そろって薄着で過ごしていた。「この家はあたたかいんですか?」というストレートな問いかけに、ご主人は「寒くならない家ですね」と答えてから少し口角が上がった。ご主人もこの家を建てる前、暑さや寒さのことが気になり同じような質問をしたそうだ。

室内の快適性を表現するとき、「あたたかい」と「寒くならない」では大きな違いがある。暖房器具を使えば、たしかに部屋はあたたまる。しかし、暖房を止めるとすぐに部屋の温度が下がるようではどうしようもないし、第一、暖房をつけっぱなしでは光熱費がかさむばかりだ。「昼間に陽が射せば、エアコンがいらないときもあります。一日中出かけていて、夜に帰ってきて玄関のドアを開けると、“ああ、あたたかいな”っていう感じがありますよ」と、今度は妻の真紀さんが教えてくれた。

そもそもおふたりが「casa sole」の家を建てることになったきっかけのひとつは、このシリーズの“見た目”だった。真紀さん曰く「外観は真っ黒なのに、中に入るととても明るい空間が広がっていて、キッチンやバスルームのデザインもいいなと思ったんです」。

一方、ご主人は「僕も見た目の第一印象はすごくよかった。でも、いちばん気にかけたのは機能面です。以前、住んでいた家の結露がすごくて、まだ幼い子どももいるし、カビなんかも気になりましたから。ですから、この家に決める前は本を読んだりして、いろいろ調べましたよ。この家の窓はトリプルガラスですから、結露の心配は無用です」。

このcasa soleが建つ住宅地には共有の庭が設けてあり、庭の植栽に続くようにして緑の空間が広がる。どの家も塀をつくらず、共有の雑木林を囲むように建っている。「ここに住んではじめての夏を迎えます。きっと夏の生い茂った緑もいいと思いますが、小径に落ち葉がつもっている今の雰囲気も気に入っているんです」とご主人は言う。

夏は木々の葉が強い日射しを遮り、この家に木陰をもたらす。冬は葉が落ち、家の中に日溜まりをつくる。この家には太陽光発電も備わっていて、実に“省エネ”な生活が営まれている。ご主人の「自然の恩恵を全身に受けて暮らしています」という台詞も、決して大げさに聞こえない。真冬だというのにエアコンもつけず、2歳になった凛太朗くんの裸足で歩きまわっている様子が、何よりの証だ。