懐かしさとモダンさが共存する、木のぬくもり溢れる家

富山県のとある住宅地に、際立った風貌の家がある。黒い板張りの壁、三角の切妻屋根。無駄を削ぎ落としたその佇まいは、昔の日本家屋の風情を残し、懐かしさとモダンさが共存する。

中に入ると、すがすがしい木の香りに満ちていて、思わず目を閉じて深呼吸した。「家に来た人はみんな、木のいい香りがすると言いますし、いまでも家に帰ってくると、この香りに癒されます」とご主人の裕次さん。床や柱、梁や棟木といった木の構造材がむき出しのままにあしらわれ、それぞれの木材からは、優しいぬくもりが伝わってくる。

ときどき、道行く人がこの家の姿に好奇心を掻き立てられるのか、立ち止まって見上げているという。ご夫妻は最初、どんな家にするか具体的なイメージはなかったそうだ。「でもcasa amareを見学したら、これだと一目惚れ。平屋でも2階建てでもない、コンパクトな間取りは、ふたりで住むのにぴったりでした」。この出会いから、家も土地もとんとん拍子で決まっていった。裕次さん曰く、「すべてが巡りあわせでした。いま思うとインパクトのある家がほしかったんだと思います」。

特に気に入っているところを聞いてみると、「匂いも湿気も吸ってくれる壁、ふかふかやわらかい無垢の杉材の床、広々とくつろげるリビングが好きです」と裕次さん。さらに、ご夫妻の一番のお気に入りは、「casa amare」の特徴ともいえる大きな三角窓だという。「夜になると星空がよく見えて、すごく綺麗なんですよ」と奥さまの久代さんが教えてくれた。

季節の移り変わりを映しだす鏡のようなこの窓。夜になると、ここからの灯りが黒い外壁をぼんやりと浮かび上がらせ、また違った趣を楽しめるのだそう。まだ家の周りには植木も花も生えていないが、「大きな木が影を落とし、秋になればコスモスをいっぱい咲かせたい」と久代さんは話してくれた。夫婦の終の住処は、これからもいろいろな表情を見せていくのだろう。