物を増やさずシンプルに広い空間を感じて暮らす

階段にかかっているのはアイビーの鉢。

リビングに入って真っ先に目に飛び込んできたのは、奥さま手づくりのキルトボード。中央にはキルトでつくった「casa cube」、フレームに生地を貼り合わせ、小物や雑貨などのミニチュアクラフトを飾ったオリジナル作品だ。「完成を楽しみにしながら、建築中につくったものです」と、奥さま。
インターネットで「casa cube」のことを知ったご夫婦は、“大きな窓をつくらない”という考えに共感。「共働きなので防犯性が高いことが魅力でした。断熱効果が高くカーテンも必要ない。価格も理想通りで、これしかないとすぐに心が決まりました」。実際に三軒の「casa cube」を見学し、どんな場所にもなじみ、室内の明るさも十分だということを実感したご夫婦は、調布の閑静な住宅街の中に建てることを決めた。

内壁の面積を広くとることができるのも、窓がないからこそのメリットだ。奥さまの趣味であるキルト作品などを飾るためのニッチをダイニングや玄関、階段の途中などに設けた。
「手づくりの小物や雑貨、グリーンを置いたりできる、自分の好きなコーナーを作りたかったんです」
室内はすっきりとした印象で、とかく雑然としがちな台所まわりでさえ、きちんと片付いている。暮らしのアイテムはいったいどこに……と見まわしていると、奥さまがキッチン横のパントリーのカーテンを開け、収納スペースの使いやすさを教えてくれた。「ここに日用雑貨や買い置きの食料品、ゴミ箱など1階で必要なものがほとんど収まっています。2階のクローゼットも収納力があり、3組分の布団をはじめ、ときどき泊まりにくる娘の着替えなど、普段は使わない物もしまえます」

 

もちろん、物を増やさない努力もしている。
「新しい物を買ったら何かを整理することを心がけています。2階のフリースペースもあえて物をおかず緑を飾るだけにしました」。白い壁には観葉植物のグリーンがよく映える。吹き抜けを通して1階からも、2階からも見える絶好の場所で、その植物は元気に葉を茂らせていた。「植物はその環境に慣れてしまえば、光と流れる空気さえあれば、余計なことはしなくて大丈夫」と奥さま。普段は窓を閉めっぱなしという室内で、植物が元気よく育っている様子からも、光が十分に射し込み、空気が循環していることが見てとれる。

実は、この家には3匹の犬も一緒に暮らしている。この日はトリミングに出かけていて不在だったが、全く臭いがしなかったので驚いた。余談だが、2階の観葉植物の名はエバーフレッシュ(直訳:いつもすがすがしい)という。